良い文章を書くための処方箋④
良い文章を書くための処方箋シリーズでは過去の3つのブログを通して、良い文章を書くためのポイントをお伝えしてきました。あなたが書いた文章は、良い文章へとだいぶ近づいてきたと思います。
今回のブログでは文章に品の良さと丁寧さを与えて、読み手に気持ちよく読み切ってもらえるためのポイントをお伝えします。
またまた例え話を引用しますが、大切な人との食事が急に決まりドレスコードに困っていた段階から、小物やアクセサリーに気を使えるところまできました。食事もいよいよもうすぐですね!立ち振る舞いやマナーなど、相手を不快にさせない所作の予習も大切ですよね。
読み手に気持ちよく最後まで読んでもらうために、読める文章から読みやすい文章へとブラッシュアップしていきましょう。
今回も先に要点をお伝えします。
・約物(やくもの)に頼らない
・「こと」「もの」は減らせる
・読み手の立場に寄り添って
以上の3点です。
少ないと思いましたか?そう思ったなら今回のブログはすぐ読み終えてしまうと思います。良い文章にたどり着くまで走り切りましょう!
約物(やくもの)に頼らない
「」、『』、!、?、~、()、❝ ❞、…
約物とは上記のような記号を指します。約物にはそれぞれ名前と使い方があり、例えば感嘆符(!)は驚きや命令、呼びかけなどの気持ちをはっきり出したい文の最後に使います。
しかし熱量のこもった文章を書くとき、すべての文の語尾に感嘆符をつけていては効力が発揮されませんし、稚拙な印象を与えます。約物に頼らずとも内容を適切に伝えられる腕前を身につけましょう。
丸かっこを使った内容の補足も最小限にとどめてください。丸かっこでの補足は、倒置法にように後ろからの説明が多く、無意識に脳内で単語と補足内容をひっくり返して理解するため、読み手は疲れます。
丸かっこで補足する内容は、工夫を凝らせば文中に入ってくれます。補足で済ませようとせず文中に入れられないか一度考えてみてください。どうしても補足が必要な場合に丸かっこを使ってくださいね。
適切な使い方をし、過度な使用は避けて約物と付き合っていきましょう。意味がまったく変わってしまうので、くれぐれも「やくぶつ」と読まないでくださいね!
「こと」「もの」は減らせる
【こと】
「私はパセリを食べることができる。」
「私はパセリを食べられる。」
どちらの例文も文法上の間違いはありません。一つ目の例文の方が丁寧な印象を受ける方もいるのではないでしょうか。下の例文は文字数が少なくシンプルに言い切っています。「もの」の例文も続けて紹介します。
【もの】
「IoTは電化製品や生活雑貨などとインターネットがつながるとても画期的なものだ。」
「IoTは電化製品や生活雑貨などとインターネットがつながるとても画期的な技術だ。」
「もの」という単語はあらゆるモノを指せる万能くんですが、あまり頼り過ぎてはいけません。例文のようにほかの単語に置き換えて、読み手が理解しやすい文章を作りましょう。
「~ということ」「~ことができる」「もの」といった語句は、存在していても問題無いですが、無くても意味は通じます。このように、文章内に無関係な語句や表現の使用を冗長表現といいます。
必要以上に文章が長くなりダラダラと続く文章になってしまうので、冗長表現は削ったり、ほかの表現に置き換えたりしてすっきり読みやすい文章にしましょう。
読み手の立場に寄り添って
読み手の立場に寄り添うとは、読み手を混乱させないことです。
文章を読み進めている途中に分からない言葉や意味のない表現があると、読み手は混乱してしまい離脱します。そうならないために一つ一つ、良い文章への障害物をクリアにしていきましょう。
情報収集をしていく中で、分からない単語や難しい言葉が出てくることは多かれ少なかれあると思います。あなた自身がその言葉の意味を調べて理解するのは至極当然ですが、あなたが分からなかった言葉はきっと読み手にも説明が必要です。
一部の人にしか分からない専門用語などの一般性のない言葉もちゃんと説明をしましょう。
これは私の上司からの受け売りですが、「小学生にも分かるような言葉選び」をすることが大切です。最後まで読まれる良い文章のために、読み手が読み切ることを躊躇するような要素はクリアにしていきましょう。
「~らしさ」「~ならでは」も、単体で使うと主観的な文章になってしまうため、必ず客観的な根拠とともに使います。書き手と読み手の認識にズレが生じては、最後まで読んでもらえても内容の理解は不十分です。読み手に伝えたいという気持ちで、言葉選びや文章の構成をしましょう。
これまでのブログと比べると内容はかなり短いですが、品行方正な文章にするための大切なポイントをお伝えしました。
次回はついに、良い文章を書くための処方箋シリーズ最終回です。「あなたの文章はとても読みやすい!」と言ってもらえるように頑張りましょう!