良い文章を書くための処方箋⑤
良い文章を書くための処方箋シリーズも、今回で最終回になります。
良い文章を書くためのポイントは、これまでのブログで一通りお伝えしました。シリーズの最初に、良い文章とは「最後まで読まれて、かつ内容が理解される文章が良い文章といえるのではないでしょうか」と言いました。
これまでのポイントを押さえれば良い文章は書けます。それならもうこのブログは必要ないじゃないか!と思うかもしれませんが、最後の大切な仕上げのためにもう少しお付き合いください。
今回は文章の細部の表現と、用途に合った文章の書き方についてお伝えします。おなじみの例え話でいうなら、ワンランクアップしたオシャレとTPOについての話です。
細部の表現
読み手の興味関心を引き出しそのまま集中力を維持させることはとても大切ですが、とても難しいです。少しでも高い興味関心を持ってもらうためのテクニックをご紹介します。
【人物名から始めてみる】
文章を読むときに最初に入る情報は文の初めの部分です。最初にどれだけ読み手の興味関心を引き出せるかが大切なので、冒頭に興味が持たれそうな単語を置くと効果的です。
読み手の興味関心が沸く話題でなくても、人物名や会社名が主語にあると話題の輪郭を捉えられるので、読み手の理解を深めるのにも効果的です。
【読み手の共感が大切】
具体的なエピソードは文章の内容をイメージさせやすくします。あなたが体験したことはあなたが書いた文章でしか読めないので、ほかの文章と差別化できます。
具体的なエピソードを書くときは、事実を客観的に書かなければなりません。あなたの感想や考えなどの主観を書くのは控えましょう。自叙伝や日記などではむしろ主観が大切ですが、読み手に共感を求める場合は独り善がりな文章になってしまい、共感とはかけ離れてしまいます。
用途に合った文章の書き方
文章にもさまざまな種類がります。小説や各種媒体の記事、感想文、自由に書き連ねるエッセイからテンプレートのある企画書まで。
このブログを通して良い文章の書き方を学んできましたが、どの種類の文章でも構成の仕方は同じだと思ってください。物語性のある小説や気ままに書き連ねるエッセイは別物だという認識で構いません。
みなさんはTPOという言葉を聞いたことがありますか?
T=Time(時)
P=Place(場所)
O=Occasion(場合)
のそれぞれの頭文字を取ったのが由来で、TPOをわきまえた服装を選びましょう、などと言われます。「時と場所と目的に合った服装を」という意味ですね。
文章も同じようにそれぞれの種類に合った書き方や言葉選びがあります。テーマの決め方や内容の構成、情報収集のポイントは同じなので「良い文章を書くための処方箋」を参考にしてください。ここでは少しだけ補足をします。
【感想文やレビュー】
感想文やレビューの最大の特徴は、主観的な文章だということです。これまで主観は好ましくないと伝えてきましたが、感想文やレビューは主観がメインというより、主観そのものです。
文章を書くプロセスは同じなので、情報収集源を自分自身に変えるだけです。一つ目のブログの内容を思い出しながら読み進めてみてください。
例えばある映画の感想文を書くなら、まずはその映画の感想を書き出します。これはテーマを絞る前の段階の作業と同じです。
次にその感想たちに対してどんどん深堀をしていきます。「なぜそう思ったの?」「それってどういうこと?」といった感じで、自問自答が大切です。
もうこれ以上私自身に聞くことない!という段階になったらテーマを設定しましょう。その後のレールはこれまでのブログの内容と同じなので、全日本自問自答選手権を開催して素敵な感想文やレビューを書きましょう。
【長い文章】
何章も続くような長い文章を書くときのポイントは、章ごとに構成を練ることです。読み手の興味関心が途切れないような構成の組み方が大切です。章ごとの構成の仕方は感想文やレビューと同様、これまでのブログを参考にしてください。
さいごに
これまでたくさんのポイントをお伝えしてきましたが、すべてのルールは絶対ではありません。ちゃぶ台をひっくり返したようなことを言ったかもしれませんが、ここで定義した良い文章とは最後まで読んでもらえる文章です。
読み手を楽しませるため、興味関心を引くために、あえてポイントとは別の表現をしてもなんら問題はありません。大切なのは伝えたい気持ちです。読み手ファーストな文書が書けるよう、これからも一緒に邁進しましょう!お付き合いありがとうございました。